春分より気温が高い ~秋分の日~

 今日は秋分の日で彼岸の中日、晴れても夏のような蒸し暑さはなく、「暑さ寒さも彼岸まで」と言われるように、ようやく涼しい秋本番を迎えつつある。昼夜間の長さがほぼ同じ春分と秋分の日は同じ位の気温であってもいいのだが、実際には秋分の方が11~14℃(平年値)も高い。秋分の日照時間が春分より少ないのになぜか・・・? これは春分は冬の、秋分は夏の名残があるためと言える。気象学的には周辺の地物や海洋の温度の変化等が関係しているが、直接的には寒冷気団と温暖気団の勢力の違いによるとみられる。


秋分・春分の日 各気温日平均値 (東京)
日付平均気温最高気温最低気温日照時間
 9月23日
 3月21日
22.0℃
 9.4℃
25.2℃
13.3℃
19.2℃
 5.5℃
3.3h
5.0h
12.6℃11.9℃13.7℃-1.7h
各要素とも30年間(1971-2000年)の平年値

 秋分の日のころ、20℃位は涼しく感じるが、春分の頃はこれでも随分暖かく感じるものだ。寒さ、暑さの感覚は、日中は日射の強さにもよるが、気温だけでは決まらないようだ。人間には順応性があり、ある程度習慣になるとそれに対して感覚は鈍感になり、多少の変化では暑さ、寒さも感じられなくなる性質がある。平均気温の年変化からみると冬から春、夏から秋も4~6℃位の変化で秋の方がやや変化が大きいが、寒さに慣れた春分の頃は15℃位でも暖かく感じ、暑さに慣れた秋分の頃は20℃位でも涼しく感じることがある。人間の感覚はある一定の習慣的な状態にあるとき、ある境界を超えた変化に反応する相対的なものと言える。またこの感覚は人によっても異なり、これには体質の違いも大いに関係していると考えられる。これを端的に表しているのが寒さに強い、あるいは暑さに強いと言われる人々である。これは寒さ、暑さに鈍感なのでは・・・・? 人によってはそう言われることもあるが、同一人種でみた場合、生活習慣や食習慣が関係していると思われ、やはり体質・機能的に順応しやすい身体と言えるのではないだろうか。
 現在は冷暖房や衣服等によって居住環境を調節する機会が多いので身体の順応性が次第に失われつつあるような気がする。本来の生体維持のためには積極的に戸外に出て自然の中で鍛えることは大事なことと思う。しかし冬の寒さや夏の暑さはひときわこたえる年頃を迎えると、これはかえってストレスが大き過ぎるので、これも若いうちのことのようにも思う。そういうことで秋の今時は誰でも戸外で運動するには最適な季節と言える。
 また食習慣では外来物や冷凍・温室栽培などで季節感が薄れたものが多くなり、充分に体の機能が発揮できないような状態を作り出しているのではないかと気がかりだ。季節にあった食物を食卓に取り入れることは大事な習慣と思うのだが、こちらの方は実践はなかなか難しい時代になった気がする。